東大法学部出身の3人の作家(新川帆立・辻堂ゆめ・結城真一郎)が、フジテレビの「ボクらの時代」という番組でハイキャリア女子にかけられる呪いの言葉について話していたのが印象的でした。
「東大に入った女子学生は1年生の秋までに彼氏ができないと4年間彼氏ができない」とか「女性が弁護士を目指すなら、弁護士になる前に結婚相手を見つけておかないといけない」とか。
いまだにあるんだ、こういうの…
要するに、女はバカなほうがかわいいとか思っている低レベルな男性、あるいはその呪いにかけられていることに気づいていない思考が停止している女性がかけた呪い。
「女は若いほうがいい」というのも、女は年齢を重ねると知恵をつけて面倒になる。
だからまだバカな若い女の子がいいっていう若さ至上主義の日本の風潮。
ほんと、くだらない
私(54歳)の若いころはそんな言葉が至るところにあったけど、新川さんや辻堂さんはまだ30歳前後。
そんな彼女らでもそんな呪いの言葉に触れる機会があるんだと、驚きと落胆が入り混じったような複雑な気持ちになったのでした。
昭和に横行した「女は若くてバカがいい」という言葉
54歳の私が小中学生のころ、つまり今から40年ほど前、今ならSNSで炎上必至な女性に対する呪いの言葉が、さまざまな大人から発せられていた。
教師や親戚や両親、みんな言ってましたね
女に学(教育や学歴の意味)はいらない
私が小さいころは「女が大学なんて行ってどうするんだ」なんてうちの父親も言っていました。
今じゃ考えられないですよね。
私が大学生になるころは少しずつ変わってきて大学に進学する女子も増えてきましたが、それでもほとんどが短大。
大学で4年間も勉強する必要なんてないという時代です。
実際に4年制大学を卒業しても、就ける仕事は事務員と販売員しかありませんでした。
女性は職場の花
大学や短大を出て事務職に就職したところで女性に責任ある重要な仕事なんて任されません。
「女の子は仕事なんてしなくていいから、キレイに身なりを整えてニコニコ笑って職場の雰囲気を明るくしてくれればいいよ」っていう意味の言葉。
そして2〜3年したら上司の紹介や社内恋愛の相手と結婚して寿退社というのがほとんどの女性の進路です。
女性の結婚適齢期はクリスマスケーキ
これ、今の若い人は意味わかるのかな?
クリスマスケーキというのは、25日を過ぎると売れなくなってしまう。
つまり女性も25歳を過ぎると売れなくなる(嫁のもらい手がなくなる)っていう意味。
私も小さいころはそれを信じていて、25歳くらいになったらみんながするように私も結婚するんだろうなと漠然と思っていました。
まあ、その25歳から30年経った今も独身ですけどね。
これらの言葉が、一部の大人ではなく大多数の大人から発せられていた時代でした。
令和の今、そんな呪いは過去の産物かと思いきやいまだに呪いをかけようとしている人がいるんですね。
令和にも残る若さ至上主義の呪い
ボクらの時代に出演していた新川さんや辻堂さんは、そんな呪いが解けたから成功されているのでしょうが、「男だったらもっと生きやすかった」と二人とも言っていました。
それが、今の日本の風潮を物語っていますよね。
私も若いころは「若さ至上主義」の呪いにかけられていたように思う。
20歳のころは「30歳なんてババアじゃん」なんて言ってたりしましたもんね。頭、悪すぎる。
結局、自分で自分に呪いをかけて、若さを失うことが怖くて苦しむわけですが、今となっては自分のことを本当に頭の悪い女だったな〜と心の底から思います。
まあ、今はそのことに気づけただけでも成長したってことで。
もう50歳だからという呪いもやめよう
私は4年前の50歳のときに白髪染めをやめてグレイヘアにしたのですが、それも「若く見られること」への価値をあまり感じなくなったから。
白髪を黒く染めたところで、せいぜい4〜5歳若く見える程度。
それに対して、伸びてくる根元の白髪を気にしたり、カラー剤で頭皮がヒリヒリしたり、時間や労力を取られたりするストレスの代償が大きすぎる。
白髪染めにストレスを感じてない人はいいですが、白髪染めにストレスを感じ、染めるのをやめたいと思ってる人は「若さ至上主義の呪い」にかけられていないか一度振り返ってみてほしいです。
白髪染めに限らず「もう50歳だから」とか「もう若くないから」とか、そんな呪いを自分にかけるのはやめて、50歳を楽しんでいきましょう。
幸い私の周りにはそういう人がたくさんいるので、刺激を受けながらこれからの自分を楽しんでいきたいと思います。
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